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百日紅
「 あなたに似合う花だから 」
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HN:
霧近有深
性別:
女性
自己紹介:
物書き腐女子。
主人公総受け・へたれ(ちょっと変態)攻め・純真男前(時に意地っ張り)受け・眼鏡・敬語・制服などが好き。

現在、涼宮ハルヒの憂鬱シリーズにはまり中。
古キョンラブ。キョン受けラブ。

サイトはありますがこっちからはリンク貼っていません。
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うみねこ戦人誕生日祝い、嘉音×戦人小説。


※絵茶中に書いたのでどっか変かも
※未来超捏造
※らぶらぶです
※キャラがよく掴めません(実は初めてうみねこ小説書きました・・・)

以上大丈夫でしたらつづきからどうぞー。
お粗末様です。









待ち合わせ場所に先についていたらしい彼は、この間会った時より少し背が伸びていた。
俺も追い越される日が来たりしてな、としんみり思う。
思っても口に出さないのは俺こそが彼の目の前にいないからだ。
俺はまだ「待ち合わせ場所にいる嘉音くん」を遠くから見ている状態であり。
踏み出せないのには理由がある。
一つ、嘉音くんがかなりの注目を浴びてしまっていること。
初めて邸で見た時はどちらかといえば可愛いといえるような容姿だったのに、
今じゃ背も伸びて顔つきも若干男らしくなり男前と呼んでいいような青年になってしまった。
元々の中性的な雰囲気はいいように作用したらしく、
これならモデルでもやれるんじゃないか?と時々思うのは俺だけではないらしい。
今も遠まきにその姿を気にし、また通り様に目を奪われている女の人がいっぱいいる。

そんな男が待ち合わせ場所のメッカで、片手じゃ持ちきれないような薔薇の花束を抱えていたら?

目立つのは当たり前だ。しかもどちらかと言えば悪目立ちであろう。
先程述べた女の人だけじゃなく、彼を視界に入れては大体の人がぎょっとしているのだ。
しかし本人はそれを気にしていないのか気付いていないのか、花束を抱え直して腕時計を見た。
と、華やかな音楽と共に嘉音くんの後ろで噴水がぱあっと水を跳ね上げた。

はっとして俺も自分の時計を見る。針は指定した待ち合わせ時間ぴったりを示していた。
定時に噴水があがるこの場所が待ち合わせにはわかりやすいかと決めたのに、俺は何をしているんだ。
こっそり遠くから見ていた気まずさからあたふたしていると、視線を感じて振り返った。
「おはようございます」
あ、珍しい。笑っている。
俺を見つけたらしい嘉音くんが、優しい笑顔を向けていた。
観念して俺も嘉音くんに歩み寄る。
今、嘉音くんに向けられていたあの視線が、俺にも向けられてんのかなぁ・・・それは若干きまずい気がする。
「嘉音くんその薔薇どうしたんだ?」
今日は邸の制服ではない。
白いシャツに黒のスラックス、モノトーンであり爽やかな服装の青年は
近くで見るとやっぱり男の俺から見てもかなり格好良かった。
言葉少ななところは昔から変わらないが、感情が表に出るようになったのが実はかなり嬉しかったりする。
むしろ格好だけ言えば、俺の服装が釣り合ってるかどうかの方が心配。
休日だからってラフな服装なのはまずかっただろうか。
いやそれより場違いなのはやはり薔薇だろう。
目をぱちくりさせて、薔薇を胸の高さに掲げる。
途端にこちらまで甘い香りが届いた。
赤とピンクの中間の様な濃い色の大輪の花を数えきれない程束ねたそれは、例の薔薇園から摘んできたものだろうか?
「あの庭からとっちまったのか?それにしちゃ多いだろ」
この量では余程花を多くつける品種でないと
薔薇園の一部を丸々刈り取ったように見えるに決まっている。
「いえ、流石にそれは。これは自分で用意しました」
だよな、と納得して花に顔を寄せる。むせ返りそうな濃密な芳香。
と、その花で視界が埋め尽くされた。嘉音くんが俺の顔に花を近づけた・・・のだが
「ぶはっ」
「どうかしましたか?」
薔薇に顔が埋まりそうになって思わず仰け反る。
反射的に取った行動をそんな不思議そうに見られても困るんだけどな。
「なんだ?って、薔薇で窒息させたいのか?」
「・・・プレゼントです。受け取って下さい」
今度は俺が言葉を失う番だった。冗談?と思ったけどこちらを見つめる目は真剣で。
どうしたらいいかわかならないまま受け取った花束はずっしり重かった。
なんで俺に?というか、男が男へのプレゼントで花束?と頭にはてなマークを飛ばしていたのだろう。
困ったように眉を寄せられて、しかしどうフォローしたらいいかもわからない。
「いや、あー・・・」
「今日、誕生日でしょう?」
「へえっ?!」
「忘れていたんですか?」
忘れていた。だけどこれで納得がいく。
嘉音くんから二人で出掛けようなんて二人の関係が変わった今でもあまり言われることではなく不思議に思っていたのだ。
「初めて会った時、あなたが薔薇園を気に入っていた気がして。いつかプレゼントしたいって思っていたんです」
「そうか・・・」
「あの。気に入りませんでした?」
不安そうな声に顔をあげ、やっと自分が呆然と嘉音くんと手の中の花束を見ていたことに気付いた。
「違う、気に入った!でも、驚かされたなと思って」
「よかったです」
ふんわり笑う顔は、昔の薔薇園では見られなかっただろうし。
それも含めて大好きだぜ?そう言ったら何言ってるんですかーなんて溜め息をつかれてしまうだろうか。
でもこれを買って、恥ずかしくても花束なんてもらって、
笑ってくれる嘉音くんといられる今が幸せだと確かに思った。
これが俺だけの気持ちじゃなければいいと考えてもいいだろうか?

願わくば、二人が同じ想いであることを。





「ところで嘉音くん」
「はい?」
「今から遊園地行くのに、この花はちょっと目立つんじゃないか?」



終わり
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